ランダムドットパターン (random dot pattern) |
2018-05-27 - 2018-09-07 (update) |
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*ランダムドットパターン とは
図1の左の画像に示す様に,ランダムに点を設定したパターンです.単にランダムパターンと呼ぶ場合も有るようです。ランダムドットパターンはそのドットの並びを特徴として,距離計測などの用途に良く利用されます.
例えば,図1の右の画像は,プロジェクタからパターンを投影した条件下で,その投影像をカメラで撮影した画像を表します.図1の2枚の画像間のマッチングを行うことで,距離の計測が可能になります.図2は距離の計測結果を表します.
[img:jqr3]
{{small:図1 ランダムドットパターンとその投影像をカメラで撮影した画像}}
[img:p7cq]
{{small:図2 ステレオマッチングの結果}}
*サンプルコード (C++)
ライブラリ:[link:simplesp]
サンプルコード:simplesp/sample/gl/randomdot
シミュレーション画像を生成し,その画像からステレオマッチングを行います.
*関連事例
ランダムドットパターンの関連事例を紹介します.
**Kinect
Microsoft社※のKinectでは,赤外線のランダムドットパターンを投影しそれを赤外カメラで撮影した画像に基づいて距離を計測します.具体的に投影しているパターンは図3の様な模様で,DOE(Diffractive Optical Element)と呼ばれる光学素子とレーザー光を組み合わせたシンプル構成で実現できます.{{small:※3Dセンサの開発はPrimeSense社}}
[img:tbg7]
{{small:図3 キネクトステレオマッチングの結果}}
一般的なプロジェクタを利用する方法に比べて,DOEは小型で安価です.ただ.設定した1種類のパターン以外は投影できないため,プロジェクタのキャリブレーションは工夫する必要があるようです.Kinectでは,事前に平面に投影したパターンを参照画像として,撮影した画像と参照画像とのマッチングにより距離を推定しているようです.
ランダムドットなど各種パターンを投影できるDOEはPICTRONICというドイツの会社で小売りしているようです.
{{small:PICTRONIC : [link:https://www.picotronic.de/picopage/en/product/list/category/4] }}
**Kinectrack
[1]の文献では,Kinectのパターンを投影した条件下で,用意したカメラでそのパターンを観察することでカメラのパラメータを推定する方法が紹介されています.そこでは,Kiteと呼ばれる点の集まりを定義し,その周辺の点の分布を手掛かりにパターンの認識を行うようです.
[youtube:6BD9CXBOFvk]
{{small:[1]P.Mcllroy, S.Izadi, A.Fitzgibbon, "Kinectrack: Agile 6-DoF tracking using a projected dot pattern", IEEE International Symposium on Mixed and Augmented Reality(ISMAR), 2012}}
{{small:[link:https://www.microsoft.com/en-us/research/wp-content/uploads/2016/02/kinectrack.pdf] }}
**Random Dot Marker
[2]の文献では,紙に印刷したランダムドットを撮影し,ARマーカーの様に認識する手法が紹介されています.よくある矩形のマーカー([link:ARマーカー])とは異なり,隠れがある場合にも対応できるため利用用途を広げることができそうです.
[img:bx1l]
{{small:図4 Random Dot Markerの認識結果}}
{{small:[2]H.Uchiyama, H.Saito, "Random dot markers", IEEE Virtual Reality (VR), 2011}}
{{small:[link:http://limu.ait.kyushu-u.ac.jp/~uchiyama/me/papers/ieeevr_2011.pdf] }}
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